トレイルレースについての緊急アピール

トレイルレースの全国組織化が今、私達に求められています


 今日、トレイルレースの人気が高まり、全国各地で様々な大会が開催されています。
 平成22年12月26日(日)に日本オリエンテーリング協会(JOA)ランニング
学会で立正大学を会場として、シンポジュウム「森を走ろう」に於いて、トレイルラン
ニングの現状と課題がコーディネーター山西哲郎JOA会長により基調講演がなされま
した。

 パネルデスカッションでは、鈴木毅(トレイルランナー)、田中正人(アドベンチャ
ーレーサー)、番場洋子(オリエンテーリング競技者)、杉本憲昭(神奈川県山岳連盟
副会長)4名がパネリストとしてグループ討論が行われ、現状におけるトレイルレース
の数多くの課題、提案等がまとめられました。

 私はトレイルレースの歴史があり、競技内容が確立されているアメリカボルダーを20
07年2月に訪れ、アメリカのトレイルランニングの現状を視察しました。

 アメリカでは競技団体の横の連携が確立されており、大会の基準、ルール等の標準化さ
れていることを強く感じました。

 日本のトレイルレースの歴史は浅く、この10年ほどで活発になり、メジャーなスポー
ツとして毎年多くの地域で大会が開催される様になりましたが、さまざまな団体により、
それぞれのニーズ、目的により組織化されて開催されています。

@    都道府県の山岳協会が主催 A個別の山岳会が主催 B地元観光協会が主催
Cオリエンテーリング協会が主催 D町おこし・村おこしで主催 E自然保護活動・環境
整備活動団体が主催 F地域の各組織の実行委員会が主催 G業者が主催等々実にさまざ
まな団体が主催しています。

 トレイルレースの人気の高まりと共に、全国で大会が乱立して開催されている傾向があ
り、今こそトレイルレースの健全なる発展の為に、全国的に組織化された協会の設立が必
要であると強く感じています。

 先進的な大会では飛躍的な成長されている大会も多くありますが、どこの大会もその地
域に受け入れられ、健全に成長することが重要です。

 ある一部の大会や組織するものが大会の基準、規則、公認指導員、審判などルール作り
を独断で行うことは認められません。

 トレイルレースの健全なる発展の為に、全国で大会を主催している関係者一同が集い、
トレイルの現状、将来について語り、そこでさまざまな課題を検討することが大切かと思
います。

 山岳スポーツはあらゆるスポーツの原点であり、一部の山岳団体の私物化に反対し、新
しいスポーツの分別として確立することが急務であります。

 ここに緊急アピールとして提案させて戴きます。


              神奈川県山岳連盟副会長 ・ 杉本 憲昭
              神奈川県・山梨県東部トレイル連絡協議会事務局
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